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言語
初めに、言葉があった。ヨハネ福音書はこう言って始まる。
Au commencement de toutes choses, la `Parole existait déja (Ėvangile selon Jean)
Im Anfang war das Wort (Das Evangelium nach Johannes)
In the beginning was the word (The Gospel According to John)
この程度の外国語ならボクはなんとかなる。欧州に行く時はこんな言葉をごちゃ混ぜにして使って楽しむ。
ある日、ボクは午後も早めに宿に戻った。期待した通り、八人部屋に居残る若者の姿は一人としてなく、ボクはこの間にシャワーを浴びたりして、少し休み、また外出する。同宿人が一緒の時はどうもシャワーなど使いづらい。
さて、ガランとした部屋に入ると、既に掃除は済んでいて、ベッドもきちんと片付けられていた。ただ一つ、入って右側の壁に接した二段ベッドの上段は誰か人の使った形跡があった。
気付くとボクの背後に掃除婦と思しい若い女が立っていた。どうやら中国系がベトナムあたりの若い女と見受けられた。あのベッドはあなのものであるか?たどたどしい英語で彼女は使用形跡のあるベッドを指さした。違う。ボクは英語で、ボクは今日から正面にあるベッドの下で寝る。昨日までは上だったが、変えたのだ。そう言うと、彼女はよく理解できない顔付きに見えた。それでボクは当該のベッドを指して、ざっと、von heute (schlafe ich) unten, aber bis gestern schlief ich oben. ドイツ語で言ってみた。すると、彼女は顔がバッと明るんで、分かった、と言う表情が実に華やいで見えた。彼女がどういう事情でベルリンの安宿で働いているのか、ボクはむろん知る由もない。ベトナム戦争あたりの混乱から逃れてドイツに来た親の許で生まれ育ったのか、どうか。いずれにせよ、彼女の話す母国語はドイツ語らしかった。通じ合った時の嬉しさがその表情一杯に溢れていて、ボクは見て自分もひどく嬉しい気分になった。たった少しのドイツが大きな距離を埋める。
後日、帰国の日も近づいたある夜、ボクの上段に寝て、ベッドを共有したのはスラリとして、暗くて顔は良く見えなかったが、モロッコから来たという若い女性で、ボクがフランス語で、Je suis Japonaisと話しかけると、彼女は、えっ、と反応して、ボクはまた、Japonaisと返すと、彼女は意外そうな感じで立っていた。ボクは更にOn parle français au Maroc, とか言うと、拙いフランス語でも、彼女はボクがフランス語を話すのか! と驚いてくれて、良かった。モロッコからベルリンまでどの位、時間を要したのか、聞くと、訊き返して来たので、Combien de temps のボクの発音が下手だったのか、時間だよ、l’heureと言い換えると、Oh, l’heureと判ったらしく、四時間かかったとの返事だった。近いね、やはり、アフリカは。どこでフランス語を習ったのかというような彼女の質問もあった。ドイツにいて、やりは、仏語は珍しいのか、懐かしいのか、ボクはとにかく、三年前と言おうとして、devant (in front of)が頭に出て、Il y a trois ans と言うのが出来なくて、兎に角パリにいたことがあってとか、言い訳めいて、それでも彼女は解ってくれて、良かった。Sprechen Sie deutsch ?とも聞いてみたが、もちろんという答えで、スペイン語も少し話すとか。これからイェナにある学校で、コンピューター関係の勉強をするとか言っていた。この彼女は一晩だけで、次の朝、ボクがベッドに腰かけていると、出立の準備を手早く終えて、ボクに会えて良かったみたいな事、有難うと言ってくれて、なんだか有り余る感謝の言葉に、ボクはただやはり、merci, au revoir, au revoirとバカみたいに繰り返して、彼女の後ろ姿を見送ったのは、少なからず、残念な気分だった。けだし、ラテンの女神が舞い降りてきたみたいだった。もっと仏語、やらなくては。

付け足し

People the world over will agree that it is a matter of course that one cannot speak a foreign language. However, we Japanese people cannot think that way. We tend to think that it is shame to be unable to speak, say, English, a language totally foreign to us. Is this just one of our so many idiosyncrasies, or, is this simply because of us Japanese being all so perfectionists? Maybe. Anyway, I’ve had lots of bitter experiences to have my fellow Japanese look at me as if to say (some actually said in an Hango – ironical reversed art of speech). “Shame on you, to speak English such way. It’s obvious. You’re far from perfect!”

Alas, still, I’ll keep on using the language, speaking, writing or in whatever way.